センター試験の世界史Bで、受験者全員を正解にするという
珍しい問題ミスがあった。23年ぶりのことだという。
そもそも問題のミスなど、無い方がいいに決まっているし、
今回の問題に関して言えば、明らかに間違っているものを選んだ人まで、
正解になるというのは、なんだか納得いかない気持ちになるだろうが、
まぁ、文句をいったところで、何も変わらない。
世界史以外の社会科を受験した人の中にも、
無条件に正解になる問題があるなんてズルい!と思う人がいるかもしれないし、
不満を言い出したらキリがない。
とにかく、こういうことは、そんなに頻繁には起きないけれど、
起こる可能性があるということを知っておいた方がいい。
受験当日、うまく解けない問題にぶつかったとして、
それでもその問題に固執して時間を浪費し、最後まで解き終わらなかったら…
さらに、そのこだわった問題にミスがあって、テスト終了後に全員正解になったら…
やりきれない思いになると思う。
しかし、ふざけるな!と思ったところで、条件はみんな一緒だったわけで、
特に何の対処もしてもらえない。
その問題を飛ばして、できるところから解いた人の戦略勝ちなのである。
「できるところから解きなさい!」
という言葉は、そんなに珍しいアドバイスではない。
よく聞かれるアドバイスである。
ところが、実践できない子は案外多い。ただ単に頑固な子というのもいるが、
難しそうに見えたから飛ばして次の問題にいったら、
次も難しそうで…飛ばして飛ばして、最後の問題までいっちゃった!と、
どれが解けるかわからない!という理由で、問題を飛ばせない子は多い。
できる問題からやりたいけれど、次の問題が解ける保証はないので、
順番に解くしかないという発想である。
できるかどうか、解けるかどうかを一瞬で判断するのは難しい。
算数を得意にしていない子ならなおさら。
では、どうするか?
それには、問題を読みながら手を動かすしかない。
手を動かすとは、図を描いたり、わかるところまで式を書いたり、
図形の問題なら長さや角度を書き込んでみたり…ということである。
頭の中だけでごちゃごちゃ考えていると、できるかどうかを判断できない。
だが、普段から図や式を書くクセをつけていない子は、
こういう時に、何をしていいか、どこから手をつけていいかわからない。
普段練習していないことが、テスト当日だけできるわけがないのだ。
練習の時から本番を意識して学習しよう!
それこそ答えをおぼえてしまっている問題の復習だったとしても、
図や式をきれいに再現しながら解き直してこそ、復習の価値が出る。