サーパスの算数には、「演習」という時間がある。
先生が黒板の前で講義する授業形式ではない。
日によって(カリキュラムによって)、量は多少変わるけれど、
生徒自身が問題を解いて、解き終わった人から終了というシステムである。
一般的な塾や予備校のような授業スタイルをイメージしている人にとっては、
『塾の授業=難しい問題をわかりやすく解説してくれる』
と考えているだろうから、「演習」のシステムを聞いても、
「何それ?自習じゃん!自習にお金払うの?」
と、最初は意味が分からないかもしれない。
しかし、考えてみて欲しい。
例えば、ダルビッシュや(田中)マー君が、素人相手に
ボールの握り方から投げ方までを教えてくれたとして、
素人がその通りに投げられるかといったら、投げられるわけがない。
大リーグで現役で活躍している超一流のピッチャーに教わったからといって、
そして、その教え方がどんなにうまくったって、
教わっただけでできるようになんて(普通は)ならない。
教わった後に、地道な反復練習が必要なのだ。
そして、その反復練習が正しい練習方法であるかどうか、ここがとても大事である。
プロ野球の世界でさえ、ピッチングコーチという指導者がいて、
もう自分で練習くらいできそうな選手相手にアドバイスを送る。
「ひじが下がってるぞ」とか「体が開いてるぞ」という風に、
自分では気づけていないところをチェックしてくれるのである。
同じ講義(形式の授業)を受けても、受け取り方は人それぞれである。
働きアリの法則というのがあって、
よく働くアリと、普通に働く(時々サボる)アリと、ずっとサボるアリの割合は、
2:6:2になるという法則(2-6-2の法則)なのだが、
勉強に関しても、例えば同じ授業を受けた後の
よくわかった子と、大体わかった子、よくわからなかった子の割合は、
この働きアリの法則の数値に似ているかもしれない。
もう少し細かく、真ん中の大体わかった子のグループを、
わかったことが多めの子、わからなかったことが多めの子の2つにすると、
2:3:3:2くらいにわかれるかもしれない。
講義だけで終わると、このまま終了である。
しかし、「演習」をセットにすると、この受け取り方のチェックができると共に、
そこからの改善ができるのである。
「演習」はただの「自習」ではない。
集団授業では難しい(本来なら個別指導塾の領域)個人の理解度を確認し、
状況に応じてアドバイスをする機会である。