2013年9月の開催決定から、何かと話題に尽きない2020年の東京オリンピック・パラリンピック。日本国民の関心も非常に高い世界的なイベントですし、是非とも後味の良い大会になってもらいたいものです。
そんな世界が注目する最大のスポーツイベントのエンブレムのコンペが開かれます。
たかだか1つのマークかもしれませんが、舞台は世界。スポーツを通して、数多くの感動や笑顔、涙が生まれ、世界中が一つになる4年に1度しかない大会です。
とてもスケールの大きな仕事なので、このエンブレムに応募できる条件は「指定された7つのデザインコンペにおいて2つ以上を受賞しているデザイナー」でした。大会の威厳を考えると、至極当然の条件かもしれません。
しかし、今回の応募条件は実にシンプルです。
「18歳以上で、日本に住民票を持っていること。」
つまり、一般の高校生であっても一人で応募できるのです。さらに、代表者が条件を満たしていれば年齢は問わないようなので、グループであれば、小学生でも応募することができます!高い力を認められた専門家でしか得られなかった、敷居の高かったチャンス。
これが、誰もが挑戦できる間口の広いチャンスに変わりました。もちろん、日本を代表する仕事に変わりはないので、お手軽にできるようなコンペではありませんし、審査の目は今まで以上に厳格なものになるはずです。間口が広がったことで、単純な倍率だけで言ったら前回のそれとは比べ物にならないでしょう。しかし、可能性に満ちた若い学生でも応募できるようになったことに、大きな価値があると思います。
業界の最前線で戦っているプロと同じ土俵で勝負ができる。
世間の注目もあり、しっかりと自分の作品を審査してもらえる。
こんな機会なんて、そうあるものじゃないと思います。来たるべき時に備え、磨いてきた感性を思いっきりぶつけてほしいな、と思います。
今回の件からもわかるように、チャンスがいつ、どんな形でやってくるかなんて分かりません。ですが、いつか来るかもしれないチャンスを掴むためにできることはあります。「いつか」に備えて、日頃から準備をしておくことです。この準備を怠らなければ、「いつか」は「転機」に変わるかもしれません。もちろん、成功が約束されたものでもないですし、チャンスをあてにして生きていけ、ということではありません。
ですが、どうせ・・・と思っていては「いつか」は、いつまで経っても「いつか」のままです。
なお、来年の1月には委員会による審査が予定されているとのこと。個人的には、若い学生にスポットが当たるような結果になって欲しいと思っています。ちなみに、エンブレムのテーマは以下のように発表されています。
「スポーツの力」
「日本らしさ、東京らしさ」
「世界の平和」
「自己ベスト・一生懸命」
「一体感、インクルージョン」
「革新性と未来志向」
「復興、立ち上がる力」
さて、どんなものになるんでしょうか?