人の書いた文章ですが、とても興味深い内容でしたのでご紹介いたします。
(一部、元々の表現から変えています。)
「教養がない」というのは、
別に過去の文学作品のタイトルを知らないというようなことではなく、
自分の知らないことは、この世でさして重要でもないと思い込んでしまう
「視野の狭さ」のことです。
つまり、世界を自分の物差しで測って事足れりとする態度のことです。
ですから、ある理系の先生が文系を「役に立たない」などと言ったとすれば、
その人は無教養と言っていいでしょう。
できる理系の方は文系を役に立たないなどとは言いません。
また、そういう風に(役に立たないなどと)言う人はえてして
自分が知らないことや興味のないことを、
「役に立たない」「余計なこと」と切り捨てて、視界や話題から遠ざけるのに、
自分が知っていることになると、
「そんなことも知らないの」「常識ないね」などと上から目線で言います。
「知らないことがあってもいい」ですし、「興味がないことがあってもいい」のですが、
ただ、知らないこと、興味がないことなら、口を挟むのを控えようとする
慎みの態度も教養と言えるのではないでしょうか。
また自分にとっては役に立たなかったけれど、
価値を認めるという捉え方もあるでしょう。
逆にそれ(特に学問について)が、世の中に出てから役に立つか立たないか
といった実用性だけに偏った考え方は学問全体を細らせると言えます。
教養など無くて結構。そんなもの生きていくのに必要ない。と言って憚らない人。
自分とは違う考え方の人や、自分とは違う価値観の人を拒絶して認めない人
には、なって欲しくないなぁと、そんなことを思っています。