夏期講習会が一段落した8月最後の週末を利用して、
夏の「整理」を思い立った。
別に思い立つでもない、当然やるべき作業なのだが、
講習会の最終日に授業後残って勉強していた受験生の
「カオス」を思わせるカバンの中身を「整理しなさい!」と注意した手前、
率先垂範まずは自分から行動を起こさねばとの道徳心が
入道雲のように湧き上がってきたのだ。
(残暑がきついので、外に出るくらいなら涼しい部屋で整理を、
などという不埒な動機が気分を後押しした訳では決してございません。)
夏の「整理」とは私の場合、本の整理と等号で結ばれる。
夏休みに購入したか、もしくは書棚から引っ張り出してきた書籍を
夏のあいだ中、1階と2階の机の上か、枕元のいずれかに置き放しにしていた。
さて、どこから手をつけよう。
まずは手始めに2階の机の上から片付けに着手する。
んー。今年は短編小説が多いなあ。国木田独歩と横光利一、川端康成…
国木田独歩の『酒中日記』には泣けたなあ。
川端康成は小6の生徒の口の端に上ったので久しぶりに読んだら夢中になり、
『伊豆の踊り子』と『禽獣』は2度ずつ読み返してしまったなあ。
横光利一は伊藤整の短編を読んでいたら
つい『機械』を読みたくなって買ったのだなあ。
あっ、ブックファーストの袋に入ったままの雑誌が…
今年の芥川賞受賞作だ!まだ手付かず。
長編小説も出てきた。
かの井上ひさしが若い時あまりの面白さから読むのをやめられなくなったという
ディケンズの『デイビッド・コパーフィールド』全4巻。
古本屋のセールで破格の336円で即買いしたものだ。
しかし、これらも未だ手つかずのままビニール袋の中でお休み状態。嗚呼。
ブログをお読みの皆様ならもうすでにお気づきであると思いますが、
「整理」というものに「耽悦」、「耽悦」、
つまり「思いに耽った(ふけった)」感情が侵入した以上、
「整理」は「整理」でなくなり、机上の書物はクラス内の席替えのように
微妙なアレンジにとどまることと相成りまして候。
そこで生徒の皆さん、もしこのブログを目にすることがありましたら
次の点に留意しましょう。
・ 目的意識をはっきりさせ、クリアファイルを活用して、「感情」を入れずに、
そして「合理的」に時間を決めて、科目ごとにプリントを「整理」する。
・ 親御さんに抜き打ちでカバンの中を見られても、
どこに何が入っているか一目瞭然という状態を心掛ける。
・ 塾に来たら、いつどの単元のどの箇所を質問するのか、
付箋(ポストイット)で視覚的にわかりやすくしておく。
「ちょっと待ってよ先生!自分たちへ『整理』しろと言うけれど、
先生が週末にやった『整理』と矛盾していませんか?」
なかなか上手いことを言いますね。
この件については職員室で質問を受けることにしましょう。