学校の学年が上がります。ペースを掴めるまでは焦らずに!

春期講習中のある晩のこと

春期講習中のある晩、家路に向かう電車の中、

幼馴染の友だちからメールが入った。

「お姉ちゃんの息子が今度5年生になるんだけど、

中学受験の相談をしたいって言ってるの。今日これから時間ある?」

(これからって…もう結構な夜ですよ!あなた!と思いつつ…)

そんなこんなで、幼馴染のお家に夜中にお邪魔することになった。

お姉ちゃんの息子さん(以後A君)は現在小学4年生。

大手の準拠塾に通っているが、現状にとても不安があるという。

というのも、父母会で

「今やっているカリキュラムはとても大事なところだから取りこぼすことのないように。

ここを取りこぼすと受験は難しい…。」

と言われたが、宿題に追われる様子やテストの出来を見ていて、

「中学受験が無理なのではないか?」

「でも本当に今これ(カリキュラム)ができないと、中学受験は難しいのか?」

と思ったかららしい。

ご存知の方もいらっしゃるとは思うけれど、大手のテキストが随分と変わった。

算数について言うと、

5年生の3月(小学校ではまだ4年生)に円やら割合やらを教わることになっている。

4月になると食塩水や売買損益も教わる。

すでに受験を終えた子やそのお母様になら、

これがどのくらいの衝撃か伝わる気がする。

この「割合」から始まる百分率や歩合、特に「売買損益」は

算数が苦手な子には結構大きな壁である。

これを4年生の終わりから5年生の初めという時期にやって、

受験のプロである塾の先生から

「ここを取りこぼすと受験は難しい…」なんて言われたら、

しかもそれが家庭として初めての中学受験だったりしたら、

それは焦るだろうなぁと思う。

カリキュラムの構成は、その塾その塾の考えがあってのことだろうから、

それぞれの塾が良いと思ったものにすればいいことなのだけれど、

それにしても世の中の(塾の)先取りブームというか、

前倒しブームのような風潮はあまり好きではない。

テレビでクイズ番組が流行っているからか、

「物知りはすごい(エライ)」的な空気が強まり過ぎている感じも好きではない。

そりゃぁ1しか知らない人より10知っている人の方が、

考える材料が多くて便利なことは否定できないけれど、

「知ってるか知らないか」勝負だけになったら

人間はロボットには勝てないよって思う。

たしかに「つるかめ算」だって、ただの『方程式』かもしれないけれど、

じゃぁ中学校の先取りで方程式を教えたらいいかと言ったらそうではあるまい。

頭が柔らかい小学生の時期に、

「公式に当てはめたら答えが求まる!」だけでは、

むしろその先が心配になる。

社会に出てぶちあたる問題に必ず答えの出る公式なんてないし、

初めて遭遇する問題に「知らない」から対処できない!では困る。

幼馴染のお姉さんの相談は、

プロとしての意見を聞きたいということでもあっただろうけれど、

幼馴染だから聞ける(言える)話を求めてのことでもあっただろうから、

A君のテストの答案を見ながら、気づいたことを率直に言わせてもらった。

「もっと大手の塾に対抗して、カリキュラム早めたんだろうね。

たしかにこの範囲は重要な範囲。

でも、今この時期に全部理解していないと受験が難しいなんてことはないよ。

だってこの単元、難しいもん!

もう少したってから、あぁそういうことか!ってわかる時が来ることもある。

まだまだ自分からやれない勉強の時に、

カリキュラムテストに追われて解き方を暗記させるような

詰め込み学習を強いていたら、逆に伸びなくなっちゃう。

っていうか、きっと勉強楽しくなくなっちゃう。

この答案見る限り、A君は健気によく頑張ってるよ。

ただ、式はこう書いて計算はこうやった方がいいね…。

それとお母さんがあまり勉強について強く言い過ぎないように!(笑)」

残念ながらA君は東戸塚には通えないところに住んでいるので、

サーパスに来てもらうことはできない。

最後まで面倒を見てあげることができないのに、

言いたい放題言ってしまったかと危惧したが、

「息子に問題があるのではないとわかってホッとした。

周りに振り回されて親が息子を信じてあげられてなかったなぁと反省した。」

というメールをいただいた。

それを見て僕もホッとした。

大丈夫さ!これから伸びるよ!