では、私たちの長所はなんでしょう。
今の時代は、
宿題や課題をしっかり出して欲しい。(≒出ないと何もやらない。)
(場合によっては、何をやるのか親にもわかるようにして欲しい。)
宿題、提出物の管理をキチッとして欲しい。
(≒チェックをして欲しい。または強制力を持たせて欲しい。)
やらなければやるように指導して欲しい。
(≒勉強しなさいとできれば言いたくない。)
といったことを、これから進学しようという中学校にも
求めるところが多分にあります。
学校が「何でもやってあげます!」と言ってくれると、安心なのかもしれません。
本当は「言われたことしかやらない」ようではいけないと、
どのご家庭でも危惧していて葛藤があるのだろうと思いますが、
しかし実際そういった『面倒見のいい』学校の人気は
確実に上がってきています。
そこで私たちも「何でもやります!」と言って、実際に何でもやってみせれば、
時代のニーズにバッチリ合致するのかもしれませんが、
私たちは手取り足取り何でもやってあげることが
理想の教育だとは考えていません。
かと言って、自立してこその中学受験だとも思いません。
精神的な成長のスピードは人によって違います。
『0か100か』の両極端な方法論ではなく、
そこには当然個人差があっていいのだと考えています。
処理能力(ここでは、考えて理解する力や処理スピード、計算力などを総合したもの)が
10の子に10の課題を課せば、ちょうどいい量です。
しかし、処理能力が5の子に10の課題を課せば、
その子は勉強嫌いになってしまうかもしれませんし、
処理能力が20の子に10の課題では物足りないでしょう。
また時期によっては、処理能力が10の子に敢えて12くらいの課題を課すことで、
更なる成長を促すことも必要になりますし、
処理能力が20の子に16くらいの課題でとどめておきながら、
自分で課題を見つけるように仕向けることも必要でしょう。
私たちはご家庭での様子も参考にしつつ、
その押したり引いたりのタイミングをみています。
4年生から塾通いを始めたとして、3年間フルに頑張り続ける必要はないのですが、
人生には「頑張った方がいい」、むしろ「頑張るべき」時があると
思っていますから、その時を逃さず、
そしてその時に中身のある勉強をしてもらえるように待ち構えているのです。
また同時に、子どもがその気になるのをただ待っているだけでなく、
少しでもヤル気になれるように準備をしています。
それはただ宿題の量を増やすとか、宿題をやらない子を厳しく取りしまるとか、
そういった単純なことではありません。
気持ちが入らずに宿題をやっても大して力は着かないですし、
机に向かう時間をただ長くしたって、
ボォっとする悪い癖がついてしまう可能性が高いです。
勉強が苦手な子には苦手な子の、デキル子にはデキル子の
課題や悩みがあって、それは人それぞれです。
一人ひとりの子と向き合って、その時必要なことを手助けできたらいいなと思います。
もちろん中学受験をするのは子どもですから、
やるもやらないも「本人次第」な面はあります。
周りが焦っても何にもいいことはありません。
しかし「あの時○○はサボったから、この結果でもしょうがないよ!」とか
「やれって言ったことをやってこなかったんだから…」とか、
最終的な結果を子どものせいにする大人はズルいと思います。
受験に絶対はないですから、想定外のことが起こる可能性は十分あります。
しかし、その結果がどうであれ、
『子どもが頑張ったことへの責任を持つ』覚悟こそが、
私たちの長所であると思います。