『Surpass』という名前に込めた想い

全ての生徒の第一志望合格に対して全力を注ぎたい。

中学受験では、「合格できればどこでもいい」という方がほとんどいません。どうしても地元の公立に進みたくないということが塾通いを始めた動機の方でさえも、それでも私立ならどこでもいいというわけではないと思います。そしてまた、中学受験はこの時しかできないやり直しのきかない受験です。だからこそ 「各自の志望校に対して全力で取り組みたい」というのが、私たちの最初の想いです。

中学受験を希望している人に対して「なぜ中学受験か」を今更説明する必要はないかもしれませんが、私たちが中学受験にこだわるのは、中学受験が最もフェアな受験だと思うからです。高校受験や大学受験では、先生に気に入られるかどうかが少なからず内申書に影響します。ですから内申点を上げさせようと思ったら、どうしても「先生に気に入られるように振る舞う」ことを指導しなくてはいけないのです。それは社会勉強としては必要なことかもしれませんが、少なくとも本来の正しい勉強とは違ったものです。

それに対して中学受験はがんばれば「がんばった分の結果が得られる」可能性が高いと思います。他人を蹴落としてまでとは思いません。しかし努力や能力の違いを認めてあげることは、子どもの成長に必要なことではないでしょうか。運動会のかけっこで一番を取る子、学校行事の度にピアノの伴奏を頼まれる子、そういった優劣を子どもは卑屈になることなく尊敬の眼差しで見られます。だとすれば勉強も同じであっていいと思います。スポーツや音楽と同じように、もっとうまくなりたいと自ら努力できるようになれば、その先に将来の夢が広がっていくのだと思うのです。

入学試験は合格か不合格かで勝ち負けがはっきりわかってしまいます。一生懸命がんばっても負けてしまうことはあります。そういった時には当然落ち込みますし傷つきますが、それでも傷つくのを恐れてがんばらないよりは、がんばってダメだった時の方が、はるかに人間的に成長できるのではないかと思います。

私たちはこの中学受験を通して、学力をつけるだけでなく「がんばる」だとか、何かを我慢してでも「目標に向かって努力する」といったことを経験して欲しいと思っています。また、自分を支えてくれる家族に対して感謝できたり、自分にはないものを持っている他者を尊敬できたりするような、そういう人に育って欲しいと思っております。

理想が高くて欲張りかもしれませんが、第一志望合格に全力を尽くしながら、同時に勉強だけではない何かを学びとることができたら、この中学受験で得られるものは大きいと思います。

どんな学力の子であっても常に一歩でも先を、少しでも上を見させたい。

今日の自分より明日の自分が少しでも成長していて、明日はまたさらにそこから成長していくような、「今日の自分を超える」とか、「限界だと思っていた壁を超える」といったことを、受験勉強を通して経験して欲しいです。

6年生の夏前に受けた模試で志望校合格の可能性が80%以上だったとしても、そこで油断して夏休みに手を抜けば秋冬に足元をすくわれてしまいます。毎週の漢字テストで80点取れているからいいやとそれ以上の努力をしない子は、100点を取り続けるための勉強をしている人とは、漢字以外の面でもきっと差がついてしまいます。「どうせバカだから…。」と負けグセがついてしまった子は、一生懸命努力する価値を見出せなくなってしまいます。

「このくらいでいい」という現状維持の発想は非常に危険です。その発想では、そこからさらなる成長を期待するのは難しくなりますし、もっと言うと現状維持でいいと思った結果は、不思議と維持すらできずに悪くなることの方が多いような気がします。勉強には終わりがない!なんて言うとゾッとする人もいるかもしれませんが、「なぜそうなるの?」という興味や好奇心が持てれば、勉強を勉強と思うことなく楽しんで続けられるのではないでしょうか。

また「がんばってもダメだったら…」といってチャレンジをしない子どもがとても増えた気がします。しかしこれは子どものせいだけではなく大人のせいでもあると思います。「そんなにがんばらなくてもいい。」「がんばってできなかったらかわいそう。」「だったら、ほどほどにがんばるくらいでいい。」と思っている大人が増えた結果、子どもはその影響を受けているように思うのです。

私たちはもちろんご家庭の教育方針にまでは口出しできませんが、一人ひとりの生徒の将来を真剣に考えるからこそ、生意気なことを申し上げることもあるかもしれません。どんな生徒でも可能性をたくさん秘めているからこそ、「がんばったらできる!」「がんばれるならがんばった方がいい!」と、言ってしまいます。誤解を恐れずに申し上げれば、「どろんこになって帰ってくるとお母さんに叱られるから、どろんこ遊びはしない。」ようないい子よりも、「なんで時計は動くんだろうと疑問を持って分解してしまう」ような子の方が、ある面では頼もしいと思っています。そしてそういった時には「自分で壊したのだから、責任持って直すんだよ!」と声をかけて欲しいと思っています。

せっかく中学受験をしようと塾通いをするのであれば、ほどほどにやるのではなく、

「精一杯やれるだけやってみたらいい!」

「まだ自分でも知らない自分を見つけに行こう!」

そんな風に考えています。