ちょっと前の5年生算数クラスでの話です。
僕の担当クラスの話ではなく、後からカセセンに聞いた話です。
その日、授業開始直後にもかかわらず、全く授業を聞いていない男の子がいました。
うるさくしていたり、寝ていたりしたわけではありませんが、
表情や目線を見れば、その子が授業を聞いているかどうかはわかります。
その子は、見るからに『聞いていない』状態でした。
それで、カセセンはその子を名指しで注意し、授業をちゃんと聞くように言いました。
ところで、この「授業を聞いていない子を注意する」のは、サーパスの特徴の1つです。
実は、多くの塾において、この「授業を聞いていない子」については野放しです。
なぜ野放しにするかというと、いくつか理由が考えられます。
大前提として、授業を聞かない自由を行使したことで成績が伸びなかったとしても、
それは自己責任であり、塾のせいではないということ。わざと嫌な言い方をするなら、
静かに、お金だけ払ってくれるいいお客さんだとみなされるわけです。
次に、注意にかけた時間が、他の真面目な子の時間を奪うと考えられること。
あるいは、聞いていないとできなくなってしまうからと、心配して声をかけたのに、
「何も悪いこと(迷惑)をしていないのに怒られた!」
と、そういう風に親御さんに伝わって、クレームに繋がる可能性すらあること。
こういった理由がパッと考えられます。
しかし、サーパスは、
子どもに「自己責任」を押し付けるのは、大人のただの無責任だと考えていますし、
注意にかけた時間が、他の子にとっても決してマイナスにならないと思っています。
また、明確な理由があって、必要なことであると考えて注意をしているので、
それでクレームが来たとしても、きちんと説明をしようと考えているわけです。
それで、この日の算数の授業がその後どうなったかと言いますと、
授業後にその叱られた子がカセセンの元に寄ってきて、
「カセセンありがとう!あそこで叱ってくれなかったら、授業聞いてなかった。
授業聞けたから、今日の授業わかった!」と言ったそうです。
サーパスでは特に何のこともない日常の1コマですが、
こんなところも他塾と違うところかもしれません。