14日、フィギュアスケート男子シングル、SP(ショートプログラム)で、
羽生結弦選手が101.45を取り、自身が持つSPの世界最高得点を更新しました。
SPの得点が100点を超えるのは史上初です。
翌日のフリーに向けては「1位だとか勝ち負けなどは気にせず、
自分のベストの演技ができるよう頑張りたいです」と話していました。
そして翌日です。
前日のSPで2位のパトリック・チャンは、
2011年から世界選手権3連覇をしている強敵です。
羽生選手との点差はわずかに3.93点。
この点差は、一回氷に手をついただけでひっくり返る点差だそうです。
演技は、羽生選手の直後にチャン選手という順番でした。
そんな中、羽生選手は冒頭の4回転サルコウで転倒し、
3つ目のジャンプでも手をつきました。
演技が終わってから「これで(金メダルは)逃したな…」と思ったそうです。
ここで羽生選手は、あることに気がつきました。
それは、前日の段階で
「1位だとか勝ち負けなどは気にせず…」という発言をしていて、
実際結果(金メダル)を意識していないと自分では思っていたつもりだったのに、
演技終了後に「逃したな」と思ったということは、本当は意識していたのだと。
そしてその本心(?)に気づけなかったせいで、
フリーの時に体がかたくなっていた理由も自分でわからなかったのだと。
前日の段階で1位にいながら、2回ミスしてしまった。
そしてその直後に、2位の強敵チャン選手が演技をする。
こんな時、普通の人ならどう思うんでしょう?
「ミスしろ〜!」なんて願うかもしれませんね。
しかし羽生選手のすごいところは、チャン選手を応援していたのだそうです。
自分が納得のいく演技ができていないのに、
人の失敗を願って金メダルを取っても嬉しくないということでしょう。
結果としては、チャン選手もミスをして、羽生選手は金メダルを取りました。
人の足を引っ張ったり失敗を願ったりしたわけではないので、
(羽生選手は納得していないかもしれませんが)
この結果は十分に素晴らしいと思います。
本人は納得していないからこそ、
またすぐに「4回転サルコウの練習をしたい。」と言っていましたが。
今まで支えてくれた人たちに感謝の気持ちを述べていた羽生選手。
金メダルを取った直後に、もうその先を見ている羽生選手。
さかのぼって言うなら、
フリー冒頭の4回転で転倒したのに、そこで気持ちが途切れず集中し続けた羽生選手。
ミスした直後に人を心から応援できる羽生選手。
ただただすごい!
まだ19歳ですからね。今後も目が離せません!