わからないのが面白い

もう2ヶ月以上前の話なのだが、仕事から帰ってテレビをつけたら、
『超むずかしい話』という番組がちょうど放送されるところだった。

その番組は、
橋本幸士さん(京都大学大学院理学研究科物理学専攻教授。理学博士。)と、
須藤靖さん(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。理学博士。)という
その道の専門家の間に、
芸人のロザン宇治原さん(京都大学出身。)が聞き手として入って、
「ビッグバン」、「宇宙の始まり」についての話をする、という番組だったのだが、
2人(橋本さんと須藤さん)の話が、もう笑っちゃうくらいに全然わからない!

話の内容が(おそらく)高度過ぎて(高度かどうかも僕にはわからない。)
論理展開はわかるのだが、内容に全くついていけない。
しかし、全く理解できないのに、とにかく面白いのだ。

 

当然、この面白さは、お笑いやバラエティー番組のような面白さではない。
自分の知らない話を、しかも、専門家が楽しそうに話しているのを聞いて、
なんだかよくわからないけれどワクワクしてくるという面白さである。
(もし、この番組の内容を解説できる方がいらっしゃるなら、解説していただきたい。)

全然理解できない話のどこが面白いの?つまらないじゃん!
聞いたってわからないから、聞くだけ無駄!
って、思う人もいるかもしれない。
学校の授業を聞かなくなる原因にも、そういうことってあるんじゃないかと思う。

だけど、この時期の6年生は、例えば、
(算数の授業で)強烈に難しい図形の問題を出したとき、
全然解けなくても、嬉々としてそれに取り組むようになる。
もう1問!とリクエストするようになってくる。
あるいは、国語の文章に知らない言葉が出てきたら、
勝手に辞書を引いて、メモするようになる。
受験とか関係なく、そうしたくなるのだ。

 

知らなかったことを新たに知れることを楽しいと思えたり、
その知らなかったことをそのまま放置せずに、すぐに調べたくなったり、
そもそも、わからないこと自体を純粋に面白いと思えたり…
そういう姿を見せられると、頼もしくなったなぁと思うのです。