できるようにして帰らせる

サーパスが、他の塾、特に大きな塾と決定的に違うことの1つに、
「できるようにして帰らせる」ことを理想としていることが挙げられます。

そんなこと当たり前でしょう?と思う人がいるとしたら、
それは、その人自身が優秀であるか、または塾というものを御存知ないか、
のどちらかである可能性が高いと思います。
多くの塾は、授業の中で問題の解き方を説明(講義・解説)しますが、
その説明が終わった段階で、その場にいる全生徒が
それをできるようになっているかというと、そんなことはありません。

どんなに成績優秀なクラスであっても、そのレベルに見合う問題を選べば、
必ずと言っていいほど、以下のように分かれます。
説明後、実際に問題を解かせてみたら、ちゃんとできるようになっている子、
説明はよくわかったが、問題を解いてみると、思うように解けない子、
説明はわかったはずだったが、わかったつもりでしかなかった子、
説明を聞いても、よくわからなかった子、
説明自体を聞いていなかった子、というように。

『2:6:2の法則』と言われるものですね。
授業を聞いただけで理解できて、その後に問題を解けるようになっている人は、
その集団内のおよそ2割と言われますが、
一般的な塾では、このたった2割に合わせて授業をするのが普通です。
残りの8割の子には、「復習」か「宿題」かで、
授業のレベルに追いつくことが求められます。
家庭学習で追いつけないなら、クラスを下がってもらうしかないということで、
8割の子については、塾で「できるようにして帰らせよう」とは思っていないのです。

 

しかし、塾でできなかったことが、家に帰ってからできるようになりますか?
先生が傍にいる状態でできなかったのなら、一人ではもっとできない。
もしそれが家でできるようになるとしたら、親か家庭教師がつくしかない。
そういうことになりませんか?

もちろん、サーパスでも「復習」はするように指示していますし、
「宿題」も(他塾と比べたら微々たる量ですが)あります。
それでも、家庭に持ち帰る量を減らせるように、
もっと言えば、中学に入ってから授業についていけなくならないように、
授業内で理解し、わからないところは「質問」し、
少しでも「できるようになって」から帰る。
そういうリズムを作ってほしいと思っています。

しかし、わかっていないまま帰る、できていないことを(自分自身)知っていて帰る、
わかっていないけどまぁいいや…家で復習すればいいんでしょ…
とその場で理解しようとしない習慣が、しっかりと根付いてしまっている場合、
「できるようにして帰らせる」ことは、口で言うほど簡単ではありません。
こちらがそのつもりでどれだけ働きかけたとしても、
その場で「できるようになる」感覚が、経験・実感としてわからない子にとっては、
その気が起きなくても当然だとは思います。
具体的にどうしたらいいかもわからないかもしれません。
一朝一夕で身に着くものではないのです。