前々回のブログの補足①

宿題をメールでお送りすると、サーパスの入り口でお話ししたことと、
なぜズレが生じるのか?ということについて、もう少し詳しくお伝えしたい。

先に断っておきたいのは、
「親も(子どもが)何をやらなければいけないのかを把握しておきたい」
という要望も、親として普通の要望であると思っている。
文字通り、「把握しておく」ことが目的なら、至極当然の要望である。

難しいのは、例えば次のような場合である。2つ例を挙げたい。
1つ目は、宿題を把握してしまった親の立場で、
机に向かっていない我が子を目にしたとき、どうするか問題である。
我が子のそのときの成績にもよると思うけれど、
「宿題終わったの?」「いつやるの?」「やらなくていいの?」
と、こういう声をかけないといけない気持ちになるのではないだろうか。

 

毎日のように、いちいち声をかけないといけないことにストレスを感じ、
しかも、こういう場面の最初の声掛けで、
すぐに宿題に取り掛かる子など、そうそういるとは思えないから、
きっと語気が段々と荒くなるか、最後はため息口調になるんじゃなかろうか。
すなわち、このやり取りに、親の方が先に疲れて音をあげることに繋がる。

もちろん、子どもだって、こんな声を毎日かけられるのは嫌である。
宿題をやるのがイヤというより、この叱られ方がまずイヤになるのだ。
大人は、それなら自分から宿題に取り組めばいい!
まず先に宿題をやってから遊べばいい!と思うだろうけれど、
そんな大人だって、子どもの頃に
「ご飯よ~!」とか「お風呂入りなさい!」などと言われても、
その通りにしなかったことがあるのではないか。

こういうとき、言う通りにしないと、すぐに反抗的だなどと言われるけれど、
この場面では、子どもも別に反抗したいわけではなくて、
自分のタイミング的に、ただ、そのときじゃないだけ、
いまやりたいことが、それじゃないだけかもしれないのだ。
だが、親の言う通りにしないと(子どもの意見は通らない)怒られるから、
それに対しては反発したくなって、結果的に反抗期だなどと言われる。
そしていつしか言い合いがヒートアップして、
「そんなにやりたくないなら辞めなさい!」となる。

 

確かに、言わなきゃ(宿題を)やらないという子も最初はいる。
自分(子ども)でやらないでおいて、後から宿題やってない!と慌てる子もいる。
タイプによっては、それで荒れる子や塾行きたくない!と言う子もいるだろう。
だけど、言わなきゃやらないからと叱って、
その結果、親子関係良好のまま、学力も上がる例はどれほどあるだろう?
むしろ、親子で疲弊してしまう例の方が多いのではないか。
そう考えたら、少々強引で逆説的ではあるのだが、親が宿題を把握していない方が、
(宿題を知らされていないという逃げ場が親にもある分)
リスクが少ないと考えることもできないだろうか。