え、マメシバが小説?!と思われた方が多いかと思います。
(たまには、お許しください。)
イメージにないからこそ、あえて、ド直球の小説を紹介したいと思います。
ジャンルは青春色強めのミステリーになるんでしょうか?
作者は辻村深月さん。
ツナグや、かがみの弧城の方が有名かもしれませんが、
個人的には、このスロウハイツの神様が大好きです。
クリエーターの卵が集まる、現代版トキワ荘を舞台に描かれるのは、
夢を叶えることのすばらしさや難しさ。
そして、夢を叶えたからこその苦悩。
創作活動の持つ二面性。
といったところでしょうか?
光の面だけでなく、影の面も包み隠さず、ありのままに描かれています。
何と言っても読後感がよく、しばらく余韻に浸れます。
多幸感と爽快感たっぷりなのですが、
個人的に感じたのは……
じれったい!
はがゆい!!
んーーーーもーーーー!!!笑
なので、爽快感は★★★としました。
上下のセットなので、読み切るにはそれなりの時間がかかります。
その点で、読みやすさは★★とさせていただきましたが、登場人物の紹介がメインの上巻を読み切れさえすれば、下巻はあっという間です。
ページをめくる指が止まりません。
まさに怒濤の伏線回収。
上巻にちりばめられた、違和感と表現するほどでもないささやかなひっかかり。
その一つ一つを丁寧に、見事にツナグ下巻。
いやースゴいです。
そして、ただの伏線回収にあらず、その一つ一つの温かさときたら!
読み終わったときには、登場人物みんなのことが好きになって、その後の幸せを願わずにはいられませんでした。
サーパス文庫に入荷しておりますので、是非手に取って頂ければと思います。