スロウハイツの神様

スロウハイツの神様
読みやすさ
(2.0)
爽快度
(3.0)
感情揺さぶる
(4.0)
読後感
(5.0)
おすすめ度
(5.0)

 

 

え、マメシバが小説?!と思われた方が多いかと思います。
(たまには、お許しください。)

イメージにないからこそ、あえて、ド直球の小説を紹介したいと思います。

 

 

ジャンルは青春色強めのミステリーになるんでしょうか?

作者は辻村深月さん。

ツナグや、かがみの弧城の方が有名かもしれませんが、

個人的には、このスロウハイツの神様が大好きです。

 

 

クリエーターの卵が集まる、現代版トキワ荘を舞台に描かれるのは、

夢を叶えることのすばらしさや難しさ。

そして、夢を叶えたからこその苦悩。

創作活動の持つ二面性。

といったところでしょうか?

光の面だけでなく、影の面も包み隠さず、ありのままに描かれています。

 

 

何と言っても読後感がよく、しばらく余韻に浸れます。

多幸感と爽快感たっぷりなのですが、

個人的に感じたのは……

 

 

 

 

 

じれったい!

 

 

 

 

はがゆい!!

 

 

 

んーーーーもーーーー!!!笑

 

 

 

なので、爽快感は★★★としました。

 

 

 

上下のセットなので、読み切るにはそれなりの時間がかかります。

その点で、読みやすさは★★とさせていただきましたが、登場人物の紹介がメインの上巻を読み切れさえすれば、下巻はあっという間です。

 

 

ページをめくる指が止まりません。

 

まさに怒濤の伏線回収。

 

 

上巻にちりばめられた、違和感と表現するほどでもないささやかなひっかかり。

その一つ一つを丁寧に、見事にツナグ下巻。

 

 

いやースゴいです。

 

そして、ただの伏線回収にあらず、その一つ一つの温かさときたら!

 

 

読み終わったときには、登場人物みんなのことが好きになって、その後の幸せを願わずにはいられませんでした。

 

 

サーパス文庫に入荷しておりますので、是非手に取って頂ければと思います。