今年の受験を振り返って

受験は難しい。
合格するのが難しいのももちろんだが、そういう意味ではなく、
運というか縁というか、巡り合わせというか勢いというか、
そういう不確定要素が多分に影響するところが、本当に難しい。

 

1日に、合格をアテにしていた学校に不合格になってしまった子は、
不安を通り越して、恐怖に近い感覚になったかもしれない。
お母様もお父様も、内心は青ざめていたかもしれない。
しかし、1つの合格をきっかけに、そこから持ち直して、後半戦では、
むしろ高くなる偏差値や倍率をものともせず、合格を勝ち取った。

第二志望や、第三志望に合格できなかったのに、
一番難しい第一志望に合格した子もいた。
今の大学受験では、私大が難化している分、
こういう逆転現象はよくある話だと聞くが、それとは状況が違っている。
小学生の受験については、前日の睡眠時間や、試験当日にかけられた一言、
それこそ、こんな理由で結果が変わる。

 

今回の受験結果は、傍目には悪くないかもしれない。
サーパス生は今年も全員合格したし、
第一志望合格率も世間一般の数値より倍近く良い。
だけど、その結果は、サラッと数字にできるほど、
簡単に手に入ったものではなくて、
家族の愛情に支えてもらいながら、折れそうになる気持ちを何度も奮い立たせて、
最後までやり切ったからこその結果だ。
その頑張りは、大人から見ても尊敬に値する。

 

できることなら、つらい思いもさせないであげたいと思うけれど、
苦しんだ子には苦しんだ分の成長があると信じたい。
僕の立場で言っていいのかはわからないけれど、
きっと意味のあることだったのだと、そう思いたい。

塾としては、第一志望合格率100%を今後も目指し続けるけれど、
僕個人の意見としては、目指したものに届かなかった経験や、
悔しい思いというものは、それはそれで、次に繋がる糧になると思っている。
進学先が何番目の志望校であっても、胸を張って通って欲しい。
考え方やモノの見方次第で、人生は面白くもつまらなくもなる。
充実した中高生活になることを祈っている。