もったいない

しばらく同じテーマで書いているけれど、あともう少し続けたい。

勉強が苦手というレベルから脱却するには、
良くない癖を直すことが手っ取り早い。
いや、もうこれに尽きると言ってもいい。

姿勢が悪い子なら、姿勢をよくするだけで、
人の話をよそ見しながら聞く子なら、話の最中によそ見をしないだけで、
字が汚い子は、字をきれいに書く(ことを意識する)だけで、
式を言われた通りに書かない子は、言われた通りに書くだけで、
勉強ができるようになってくる。絶対と言っていい。

鉛筆の芯がいつも丸まっている子は、鉛筆を削ってから塾に来るだけで、
忘れ物の多い子は、家を出る前に忘れ物がないかのチェックをするだけで、
プリントの管理ができない子は、プリントを決まった場所に保管するだけで、
勉強に臨む意識に変化が現れる。

その日の授業でわからないことがあったら、質問してから帰るだけで、
課題を解いて間違えていた時に、答えの丸写しをやめるだけで、
やらなきゃいけないとわかっていることを、後日にまわさないだけで、
必ず事態は好転する。

つまるところ、だらしない部分、めんどくさがりな部分、ズルい部分…
を直せば、勉強に苦手意識を持つ可能性は低くなる。
地頭の良さだとか、天賦の才だとか、そんなものを持ち合わせていなくても、
極端に言ったら、秀才にはなれる可能性がある。

とはいえ、こういうマイナスな要素を直すのは、口で言うほど簡単ではない。
1つ1つは些細なことなので、できる人から見れば、
さっさと直せばいいのにと思われることだけれど、
こういうクセのついた人にとって、
このクセは、長年かけて衣類に染みついてしまった黄ばみのようなクセなので、
そうそう簡単には取れない。

精神的に成長すれば、自分でゴシゴシやって取れるようになる。
直そうと本気で意識するだけで、これらは劇的に改善する。
しかし、幼い子にとっては、このクセを自分で直すのは、かなり難しい。
だからもし、家族でもない人(学校や塾の先生のことが多い)に
口うるさく言われることがあったら、そこがチャンス!
その機に直せるなら、強制されてでも直した方がいい。

正しいことを言われて、素直に直せるかといったら、そんな単純な話ではない。
正しいことを言われると、むしろ聞き入れたくない時期もあるし、
言う側と聞く側の相性の問題もある。聞き入れない自由もあろう(笑)。
だけどもし、その(わざわざ)言ってくれた人のことを疎ましく思ったりするならば、
その人は成長のチャンスを1つ逃したことになる。
それは、とてももったいないことだと思う。