脳の仕組みを知ることで暗記力が高まるかも!

東京大学の池谷裕二(いけがやゆうじ)教授をご存知でしょうか。
最近、テレビに出演されることも多い、脳研究の第一人者です。

その池谷先生の完全にウケウリですが、今日は
「おぼえられない!」とか、「おぼえてもすぐ忘れちゃう!」とか
言っている人のためのお話です。

まったく無意味な10個の単語を覚えてもらい、
それらをどれくらい長く覚えていられるか調べてみると、
単語を忘れる速度は人によってほとんど差がないといいます。

では、何が差をつけるかというと、
その後、繰り返しおぼえなおしたかどうか!というのが、まず挙げられます。
復習すればするほど、忘れる速さを遅くできるのです。
例えば、漢字の勉強を週に1回しかしない人と、
2回3回繰り返しやった人では、差が出るということです。
(これは当たり前ですね。)

さらに2つ目の理由として、復習の仕方が差をつけるそうです。
(ここがとても興味深いので、よく読んでください!)

1、すべての単語を暗記しなおし、 すべての単語を再テストする
2、間違えた単語のみ暗記しなおし、すべての単語を再テストする
3、すべての単語を暗記しなおし、 間違えた単語のみ再テストする
4、間違えた単語のみ暗記しなおし、間違えた単語のみ再テストする

この4つのグループに分けて復習させ、1週間後に再テストすると、
1、2番のグループと、3、4番のグループでは、
前者のおぼえている量は、後者の2倍以上だったそうです。
違いは、「すべての単語を再テストした」かどうか、です。

これが何を意味するかですが、
記憶を定着させるためには、
「インプットした情報を、いかにアウトプットしたか」
が重要になるということです。

池谷教授がおっしゃるところでは、脳の中で記憶を司る海馬は
『こんなに入ってくるから』ではなく、『こんなに使うなら』 覚えておこう
と、情報を選んで記憶しているのだそうです。

最後に、実体験としてもうなずけるであろう理由を挙げます。
誰しもがそうだと思いますが、自分の興味のあるものは簡単に覚えられます。
それは、脳がそうできているからです。
ということは、「つまらない」「やりたくない」「できない」「無理」
などと言いながら(思いながら)勉強していたら、
おぼえられないように脳の仕組みができている!ということです。

記憶が感情と絡みつくと、忘れにくくなります。
授業の余談ばかりおぼえている人いますよね。
でも、それを忘れないということは、面白がったり楽しもうとしたりすれば、
忘れにくくなるのだと、そういうことです。