質問上手

「質問しても教えてもらえない」
と、子どもから聞かされることがあると思います。
「そんな塾あるわけないでしょ!?」
と、思われる方もいらっしゃるかもしれませんが…

その質問をしてきた子と今日しか会えないのなら、もちろん教えます。
しかも、懇切丁寧に教えることでしょう。
二度と会うことがない子を、「自分で考えなさい!」と突き放しても、
その後の思考の過程を見ることができないので、
ただの無責任になってしまう可能性があるからです。

家庭教師や個別の塾なら、そこに求められるものの特性上、
質問には丁寧に答えることが多いと思います。
しかし、塾は今日の疑問に答えるところでもあるかもしれませんが、
(もうちょっと長い目で)
自分で疑問を解決できるような力をつけさせるところでもあります。

わからないから質問しているのに…と言いたい気持ちはわかりますが、
質問にすぐ答えてくれるという便利さを一度知ってしまうと、
自分で考えることなく、人に頼りっきりになる子が出てくるのが怖いところです。
(子どもに勉強を教えたことのある方なら、こういう経験あるのではないでしょうか。)

 

では、どうしたら良いのでしょう?
質問に答えては欲しいけれど、依存もしない。
そんな良い方法はあるでしょうか。

一つのヒントとしては、『自分の思考の痕跡を残す』のが良いと思います。
例えば算数なら、線分図を描いてみたとか、
せめて求められるものだけでも求めておいたとか、
わかる角度だけでも書き込んだとか…。
また、教えて欲しいのであれば、それらを丁寧に書いておいた方がいいでしょうね。

質問の仕方がわかりにくい(と言われがちな)国語でも、
音読や意味調べがしてあって、
(選択肢の問題の質問なら)消去法で選んだ痕跡があれば、
良い質問になると思います。

これなら完全な依存ではないですし、
教える立場としても、どこから教えればいいかがわかりやすいです。

質問の仕方がうまい人は、勉強の仕方がうまい人です。
質問上手になってください。