下町ロケットに学ぶ、プライドの持ち方

受験生には、専ら縁のない話かもしれませんが、下町ロケットというドラマが人気です。
原作は「半沢直樹」で有名な池井戸潤氏ということもあって、対立構造がはっきりとしていて分かりやすく、大きな組織をやりこむ光景は実に痛快です。

ざっくりと流れを言いますと、主人公の営む中小企業が、同業の大手企業の圧力により、窮地に陥るも、起死回生の反撃を見せ、危機を乗り越え、業界ナンバーワン企業と対等に渡り合うという内容です。この反撃がとても痛快で、人気になっているのだと思います。

かたや、精密機械の製造と販売を手がける下請け工場。
かたや、宇宙産業をも手にかける業界最大手。

業種も違えば、規模も違う。
本来なら到底敵いっこない相手にも、毅然と立ち向かい堂々と渡り合うなんて、現実味がない美談だと感じることも多いかもしれません。しかし、主人公がロケットへの熱い情熱を持って培った技術は、大手の最新技術をも凌駕していました。その一点があるからこそ、大手とも対等に渡り合えたのです。好きなものや興味のあることが突き動かすパワーは計り知れません。

 

しかし、チームとして同じ想いを共有できているかということも重要です。
ドラマでは、若手社員と社長のロケット事業にかける思いへの乖離から、内部分裂の危機を迎えます。夢を追いかける社長と、目の前の生活を大事にしたい若手の中堅社員。社長のロケットのエンジンを作りたい!という思いが強まるごとに、会社が辿るであろう末路に光を見いだせず、自社への愛着を失ったためです。

 

そんな危機をどうやって乗り越えるのかと思って見ていると、それはプライドでした。
自分たちの持っている技術に対するプライドが、ロケットエンジンの製作という途方もない夢への大きな原動力となったのです。

 

自分たちの築き上げた確かな技術と、技術に対する絶対的なプライド。

この2つを武器として、どんな相手にも、堂々と立ち向かっていくシーンはとても見ていてとても気持ちのいいものでした。このドラマは、自分の置かれている立場や肩書きで、卑屈になったり慢心したりするではなく、まっすぐ努力することの大事さを教えてくれています。肩書きのようなものをプライドとして考えていると、それは成長の足かせにもなるやっかいな代物になってしまいます。ですが、自分が積み上げてきた努力に対するプライドはきっと、自身を大いに助けてくれる財産になるのではないでしょうか?