苦労をしてきた人の方をとりたい

サッカー日本代表の本田圭佑氏が、

オーストリア3部リーグのSVホルンの経営に参入しました。

3シーズン後の1部リーグ昇格と、

欧州チャンピオンズリーグ出場が最大の目標だということです。

日本人もトライアウト(適性検査)に合格すれば、

SVホルンの選手になることができます。

先月、東京都内で選考がおこなわれ、それを通った人は、

今月上旬にオーストリアでの最終選考に参加できるとのことでしたが、

合格者をゼロにする可能性もあるという厳しい審査を、

昨日1名が通過したとの発表がありました。

さて、その選考基準について、

本田選手は先日の日経新聞でこんなことを言っていました。

「幾つか大事にする項目がある中で、

長く成長していける選手について僕自身の哲学がありまして。

その人が今までどれくらい苦労してきたかを見ます」

「苦労といえば抽象的になりますが、どれだけ失敗を重ねてきたかということ。

失敗の数イコール、チャレンジの数だと僕は思うので。

すなわち失敗の多い選手はちょっとしたことでへこたれない、

今後予想される苦難を乗り越えられる証明になると思います」

「幼少の時から失敗を恐れるなというアドバイスはしっかりしたい。

失敗の繰り返しは子供の間にやるべきこと。

大人になってからではどうしても打たれ弱さが出る」

「課題を見つけ出す能力というか、明確にシミュレーションできることも大事。

どういう壁が立ちはだかるのか、その壁をどう越えていくかを想像する力というか。」

これは、サッカーやその他のスポーツだけでなく、

これからの社会であらゆることに共通して言えると思うのです。

景気が多少回復したと言っても、まだまだ就職難な時代です。

就職する側も大変ですが、実は採用する企業側も大変な時代です。

せっかく雇用した人の、1年もたたずに辞めていく率がとても高いのです。

人を雇うのにも大変なお金と労力がかかります。

雇ったあとの研修も含めて、そこにかけるコストを考えると、

「仕事がきつい」「上司と合わない」と言って1年たたずに辞めていく人よりは、

できれば簡単には辞めない人を採用したいと思うのは、当然のことです。

能力が高い人を採用したいのと同じくらい、簡単に辞めない人を採用したいのです。

やりたい仕事があって就職した会社で、

やりたい仕事ではない仕事をやらされたり、

望んでいない地方や海外に異動になったり、

ハードな仕事や、プレッシャーのかかる仕事を頼まれたり…

そういうことはいくらでもありえます。

そういった局面を想定した時、

本田氏の言葉はサッカー以外にも当てはまると思います。