数字をどう見るか

健康診断に効果はある?…受診だけでは死亡率減らず

病気のリスクを早期に見つけて、病気を未然に防いだり、

進行を抑えたりするために実施される健康診断。

ここ数年、欧米の大規模な研究で、健診を受けるだけでは

病気の発症率や死亡率が減らないという結果が出ています。

どう考えたら良いのでしょうか。…

という新聞記事が昨日ありました。

見出しだけでも、なかなかショッキングです。

「え!?健康診断って意味ないの!?」と思った人もいるでしょう。

「健康診断では何もひっかからなかったのに、

その後病気になった知り合いがいる!」

というような話も、どこかでは出たんじゃないかと想像します。

しかし、では「じゃぁ来年からは受けない!」とか「お金の無駄!」となって、

健康診断を受けないことをお勧めするようなことではないので

「そりゃ健診を受けるだけではダメだろう」

「結果からどう対策を取るかが大事だ」

「あくまでも1つのチェックに過ぎない」

と、こういう論理展開になるわけなのですが…。

ここで国際弁護士の八代さんは

「人間誰でもいつかは死にますので、

死亡率ってそもそも100%ですから、

死亡率は減らないですよね。

これだけの記事では、いいとも悪いとも判断できません。」

と、おっしゃっていました。

この冷静な判断力は備えておきたい力だと思います。

一瞬パッと目を引く見出しで、「えっ?どういうこと?」と頭と心を揺さぶられるので、

そこにさらに、いかにも信用できそうなデータなどが載っていると

2つ3つ前の段落に書いたような、

完全に術中にはまった思考に陥りやすい気がします。

情報に振り回されてしまうのです。

難しいですね。

素直にやった方が伸びるよ!と常日頃繰り返しておきながら、

安易にデータを鵜呑みにしないで、疑ってかかるような冷静さも持ちなさい!

と言っているわけですから。

大人になるにつれ、少しずつそんなことができるようになるといいですね。