集中力をつけるには、集中できる環境を自ら作り出すことが必要である

小学生にはあまり馴染みがないかもしれませんが、

将棋界に羽生善治という人がいます。

将棋界に7つあるタイトル全てを25歳の若さで独占した(七冠独占)

史上初、そして唯一の棋士です。

将棋の(タイトル戦の)対局は、長いもので2日間かかります。

将棋を指したことのある人ならわかるでしょうが、

将棋では相手がここに打ってきたら、次はこうしよう!という風に、

一手先二手先を読みながら戦います。

素人では、せいぜい数手先までしか読むことはできませんし、

相手が予想と全然違う手を打ってきた時点で考え直しになりますが、

羽生さんは一回に数百〜千くらいの手を考えているそうです。

一手先ならせいぜい10〜15手の読みでいいそうですが、

その後まで考えると、この恐ろしい数になっていくそうです。

樹形図(ツリー)のイメージですね。

それを丸二日続けると思ってください。

どれだけ頭を使っているか、どれだけの集中力を必要とするか、

想像できますか?

羽生さんは、一局の対局が終わると3kg痩せるそうです。

体を動かしたわけではないのに、

脳だけでそれだけのカロリーを使ったということでしょう。

(集中して頭を使っていると痩せるらしいです!)

さて、その羽生さん、25歳で七冠独占しましたが、

言ってみればここで頂点を極めたようなものです。

考え方によっては、後は落ちていくだけともいえるでしょう。

記憶力は年々衰えます。

羽生さん自身、「記憶力のピークは20歳の頃だった。」と言っています。

また、年齢と共に体力も落ちてきますから、

集中力や精神力も結果として少しずつ衰えます。

スポーツ選手とも似ていると思いますが、

イメージと実際の自分のギャップ(差)をどう受け入れ、

どう行動していくかを決めなくてはいけないわけです。

若くして手に入れたタイトルは、全て先輩を倒して手に入れたものですが、

その先輩たちはタイトルを失っても、年齢を重ねても、

ひたむきに将棋に打ち込んでいます。

羽生さんはその姿を見てわかったことがあったと言います。

「才能とは、一瞬のひらめきやきらめきではなく、情熱や努力を継続できる力だ。」

「勝ち負けだけにこだわらず、生涯をかけ自分の将棋を極める。」

(NHK プロフェッショナルより)

その羽生さんの名言を2つ紹介して、このブログをしめるとしましょう。

「集中力は、人に教えてもらったり、聞いて身につくものではない。

勝負どころでの集中力を発揮するには、

集中できる環境を自らつくり出すことこそが大切だと思っている。」

「今の情報化社会では知識や計算は簡単に手に入る、出来る物。

だからもうあまりそれらに意味はない。

これからの時代の人間にとって大事なのは決断する事だと思います。」