我慢・忍耐

「Aさんは24枚、Bさんは15枚のカードを持っています。合わせて何枚ですか?」

という質問に答えられない子どもが増えてきています。

足し算ができないわけではありません。

この問題文を読んで、『合わせて』という言葉から足し算をイメージできないのです。

もちろんさすがにそういう子の数は多くはありません。

しかし、算数的なひらめきがあるとかないとか以前の子が、

少しずつ増えているように感じられるのです。

また、上の問題でつまずくわけですから、

「2個で18円の品物の1個あたりのねだん」を求めるのも困難です。

へたにかけ算のやりかたを習っていたりしようものなら、

かけ算してしまうのは割と当たり前。

かけ算ではないと言われると、もう当たるも八卦当たらぬも八卦で、

18と2を足したり引いたりする子さえ登場します。

しかし、「最初の問題は足し算だよ。次のは割り算ね!」と教えてしまっては、

まったくもって味気ないですよね。

さらに、問題文が3行4行…と長くなると、

「何を出せばいいの?」と聞いてくる子も増えました。

おそらく今まで生きてきた中では、そういう風に聞くと

「それはね…」と教えてくれる人が多かったのでしょう。

算数という科目、あるいは勉強自体を誤解している人にとっては、

何を聞いているのかわからないのは算数の力ではないから、

何を聞かれているのかを教えることは何の問題もない

と判断されてしまうのでしょうけれど、

読めば書いてあることを教えてしまうことで、読まないクセがついてしまいます。

教育のある側面は、教える側の我慢や忍耐だと思います。

今どきの子ども(教わる側)は、そこまで忍耐強くないので、

ただ教えなければいいというわけではないのですが、

安易に教えすぎては考える習慣どころか、読む習慣すらなくなってしまいます。

ただの我慢大会にはしたくないですが(笑)、

自分でできた時の方が記憶にも残るし、何より気持ちがいいのだと知って欲しいです。

昔教わっていた先生に言われた言葉の受け売りです。

「僕が手を抜きたくなったら解き方を教えるよ。

その方がみんな早く終わってくれて僕も早く帰れるからね。」