「学歴は重要だと思うかどうか」

何年か前(確か6、7年前だったと思う)に読んだ雑誌に、

「学歴は重要だと思うかどうか」をYESかNOかで答えた

世代別のアンケート結果が載っていた。

残念ながら、もう随分昔の雑誌過ぎて保存もしていない。

だから本当にそんなアンケートがあったかどうかを示す方法もないし、

正確な数字もおぼえていないが、その結果自体はとても印象深いものだった。

簡単に結果を言えば、

(その当時に)20代だった人や40代以上だった人は

YESの答えが多かったのに対し、

唯一30代だけNOの方が多く、そしてその分析は、

その世代は就職で苦しんだ経験が少ないからだということであった。

「東大出たって…」とか「勉強だけできても…」なんて声を聞くことがある。

もちろん一流の大学を出たからといって、

その人がお高くとまっていたり仕事ができなかったり、

コミュニケーションを取るのがあまりに下手だったりしたら、

こんなことを言われてしまう原因はその人にもあるかもしれないが、

でも東大卒だからという理由でことさら目立ってしまうこともある。

そんなことを言い出したら、他の大学卒にも

そういうことが当てはまる人は絶対いるだろうし、

もっと言ったら、結局学歴ではなくて『人となり』だよ!なんて話になる。

それはもちろんその通りだと思うし、

もし冒頭のアンケートが「人となりよりも学歴が重要かどうか」だったら、

全世代でNOの方が増えてくると思う。

たしかにこのアンケートには最初から、

そういう「人となりよりも」ということを暗示させたり、

そこに書いていないことと色々比較させたりという意図もあったかもしれない。

しかし、「勉強はできるが温かくない人」と「勉強はできないが温かい人」

という二者択一を迫るのではなくて、

「勉強もできて温かい人」になって欲しいし、

そういう人がそれぞれのフィールドで日本を引っ張っていって欲しいと思う。

「ウチの子は勉強嫌いだから、大学受験とか向かないと思う…。」

というようなことをおっしゃられる方も少なくないが、

その子がいざ就職しようとした時や社会に出た時に、

「あぁもっと真面目に勉強しとけばよかった。」とか

「英語ちゃんとやっとけばよかった。」

「数学なんて世の中出てから役に立たないと思ってたけど、

実際メチャクチャ大事だわ。」

なんて感想を持ったりする。

勉強はやらないよりはやっておいた方がいいと思う。

できたらできたで損は無い。

大人になって、もし勉強してこなかった自分に後悔したとしても、

その頃にはその責任は誰も取ってくれない。

ある学校の先生が言っていた。

「学校歴としての学歴よりも、学習歴としての学歴が大事です。」

これならほとんど全世代の人からYESをもらえるのではなかろうか。